ロードバイクのサドルの高さの話。(PART2・クリート位置について)
3月にサドルの高さについての決め方をプロのポジションを交え書かせて頂きました。
今回は更に厳密に考え、皆さんのロードバイクライフの一助になれば。
引用元
前回の最後に書きましたが、
プロのサドルは基本的には皆さんが思うほど高くありません。
別に私も実際にプロトンの中に入って一人ひとり見た訳ではないので確実ではありませんが傾向として高くはありません。
ロードバイクにおけるサドルの高さとはいくつかの要素が絡みます。
今回の目次。
1.サドルの高さ(ボトムブラケットからサドルトップまで)
まずは前回のように「ある程度」決めます。個人的には前回の3番目に採用しましたつま先理論を使うことをお勧めします。これでサドル高が完ぺきに決まる人は恐らく10パーセントもいない気がします。(あのエディメルクスもサドル高を頻繁にいじり、レース中に変更させるほどだったそうで。)
それは下の要素があるからです。
2.クランクの長さ(一般には165㎜~180㎜くらい)
よく聞くのは身長の10分の1、と言いますがこれはどこの国の人が考えたのでしょうか?フランス人とかなら適用しても問題ないですね。足の長さの身長比率が高いですし、そもそもその国の身体的特徴から導き出されたのであれば正解に近いものではあると思います。
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ただ、身長を基準にするのはいささか安易でしょう。サドルの高さやクランクの長さなんてのは股下がすべてなのだから、上半身を阻害して考えなければ大きく誤差が出てしまう。正直私はクランクの長さの正しい選び方は分かりません。自分で股下を測り、45,6パーセントくらいだったら身長の10分の1くらいでいいとは思いますが速度をひたすら求めるのであれば違うブログで探してみるのをお勧めします(その内私も書くとは思いますが。)
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サドルに話を戻しましょう。
サドルの延長上にクランクがありますね。(サドル高+クランク長が実質的なサドル高)
クランクが短い場合(165㎜と仮定)帳尻合わせでbb~サドルトップは長くなり逆に極端に長ければ(180㎜と仮定)短くなります。長さを間違えてしまうと最大で1.5㎝も差が出ます。(勿論そんな極端なことをする方はごく少数ですので一例として考えてください)
適切なサドル高はある程度適切なクランク長が必要であるということが理解していただけると思います。
3.クリート位置(超絶重要、最重要)
これが今回の記事の本題です。クリートの位置は「浅い」「深い」という言い方で表されます。浅いというのはつま先寄り、深いのは踵、土踏まず寄り。
クリートが浅いとサドル高が高くなります。もし高さを変えないと人によっては窮屈になり、浅すぎると踵を上げる努力の為に脹脛を酷使し、酷いと攣ります。
反対に深いとサドル高が低くなります。もし高さを変えなければ足が伸び切り力がうまく入らない、下死点でつっかかる、挙句怪我もする可能性があります。
無論極端なのはダメですが私が個人的に押すのは「深め」です。
少し深めにするというのは第三中足骨のつなぎ目がシャフトの真上に来るくらいです。もっとわかりやすくすると母指球がシャフトより数ミリ前に出るくらいです。1㎝はやりすぎ、ですが人によっては問題ないかも?
前回とこの記事の最初の答えは
「プロは全体的にクリートが深い位置にある」から、です。
深いクリートで有名なアダムハンセンでのインタビューで根拠があります。
とある記事でサドルの高さを決めてからクリートの位置を後付けする、みたいなものがあったんですが、これはちょっとどうなのかな?とは思いました。サドルの高さを決めるのに順序はなく全てを平行してやる必要があり、あっちを調整したらこっちを合わせるなんてのは当たり前なので初心者の方は特にそうするべきだと思います。
あとプロが高めのサドルより低めにする可能性が高い根拠もあります。高めのサドルってどうしても膝を怪我しやすいんですよね。ロードレースは冬場以外はすごい数レースに出るので怪我をするのは非常に危険な訳です。その証拠にプロの皆さんは物凄く怪我に対してのケアを重要視しています。マッサージはステージレースでは毎日受けるし、健康管理は厳重です。
GCNのチャンネルでは「クリートは何色を使っていますか?」という動画でも意外に日本では「初心者向け」と謳われているシマノの黄色クリートの使用率が高く、赤はスプリンターくらいしか使用していません。少しの可動域がある方が全体的に使われるようです。そして理由が「怪我をするリスクが高い」がで多いですね。(英語の動画ではありますが英語の字幕がきれいですので自動翻訳の日本語でもかなり理解できますから一度ご覧になってはいかがでしょう?)
クリートで怪我を気にしているプロ選手がリスクがある高めのサドル高にするか、いや、しないでしょう。
クリートが深く、サドルが低いと一見膝が下死点で150°くらいになりますし、 落差は大きいしであんまり低く見えませんが上記のような理由で大抵のプロはサドルに乗っかった状態で地面にギリギリ足が付くのです。
係数を使用するならちょっぴり股下を切り捨てとかすればいい感じになるかも(笑)
ペダル及びシューズ、クリートのスタックハイト
程度はあるので敏感な人は感じますがあまり気にならないでしょう。スタックハイトが1㎝も違えばシムを挟んだ方がいいですけどそれ以下ならあんまり関係ないかな?
まぁペダルメーカー各社で大きな差が無いことが理由でしょうけれど。。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
詳しい方は目新しい情報はないかもしれませんが初心者の方にはちょっと気になるところもあるのではないのでしょうか?
人間のカラダと同じようにロードバイクも様々な要素が絡んでいて簡単な解決法など絶対にありません。色々試行錯誤して最高な妥協点こそが答えに近いと思います。
さぁ試行錯誤しましょう!沼は楽しいものです。
クリートの決め方も結構重要ですので今度GCNの動画を書き出してみたりしようかなと。
今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。